食品には、それを形づくる構造がある。食品の種類によってその構造が異なり、味も様々である。食品の組織構造は、硬さの度合い、歯ごたえや歯ざわりなどのテクスチャーと関連し、食品の味は、含まれる成分の種類と量に関連する。食品科学はこれらの食品の性質を調べることに外ならないが、食品の組織構造を観察することは視覚に訴え、だれでもが理解しやすい方法の一つである。そこで、マクロからミクロの組織構造の観察技術を紹介し、方法を伝授することにより、構造観察の面白さを理解していただくことが、この部会の設立目的である。
近年は低真空走査型顕微鏡により、含水試料の観察も容易にできるようになった。しかし、その映像には、人工像がみられることも少なくない。初歩的ではあるが、全体像の写真を撮る、断面をコピーでとる、スライドグラスに塗抹標本を採る、スタンプ法で立体像を採るなどのマクロな観察は構造観察に重要である。光学顕微鏡切片にして、組織化学的手法により、形態を捉えると同時に物質の同定をしてから、電子顕微鏡像を見ると、マクロからミクロに至る組織像の理解が深まる。
是非、入会して顕微鏡の世界を知ってほしい。企業の方、顕微鏡技術を習得したい方、若い研究者は大歓迎です。現在、会員数は約40名で、活動年数は30年以上になる。
ここ2-3年は日本家政学会に参加し、食品の組織構造観察結果をポスター発表を行い、解説を行っている。
年会費は2000円、事務局あるいは代表までご連絡ください。
部会HPアドレス、および連絡先 |
E-mail |
s-sainen@thcu.ac.jp |
事務局 |
東京医療保健大学医療栄養学科
西念研究室
西念 幸江 |
TEL・FAX |
03-5799-3711 (以下の部会長電話にお願いします)
03-3961-7046 |
連絡先:部会長 峯木真知子 東京家政大学 栄養学科第3調理学研究室
電話&FAX : 03-3961-7046
E-mail : minekim@tokyo-kasei.ac.jp
平成28年度活動報告
【ポスター発表】
日本家政学会第68回大会(5月28日)於金城学院大学において、部会の発表展示を行いました。メインテーマを「顕微鏡観察のすすめ」として、魚類およびその加工品について発表しました。ポスターは、本部会役員2名の西村雅子氏(㈱日立ハイテクノロジーズ)および佐藤靖子氏(東北生活文化大学)のご協力を得ました。
【講演・実習会】
メインテーマは「米のおいしさと組織構造」として、(9月1日、日立ハイテクノロジーズ協賛)で開催いたしました。米のおいしさについて、官能評価を数値化する味覚センサ、低真空SEMにより組織観察、実際のTDS法による官能評価より講演いたしました。講師は株式会社味香り戦略研究所高橋貴洋氏「味覚センサを用いた炊飯米の評価」、本部役員の西村 雅子氏「卓上走査電子顕微鏡による米の観察」、東邦大学医療センター大橋病院 田中 隆介氏「低たんぱく米およびでんぷん米のおいしさと組織構造」、(株)メディア・アイ感性評価研究所 市原茂氏「TDS法による米飯の官能評価」の4氏でした。また、日立ハイテクノロジーズによる卓上SEMの実習も同時に行いました。参加者は30名で盛会でした。
これらの講演内容は講演会助成企画として、日本家政学会学誌67巻11号に掲載されました。2月には部会会報を会員に郵送いたしました。
平成29年度活動報告
【ポスター発表】
日本家政学会第69回大会(5月27日)於奈良女子大学において、部会のポスター発表展示を行いました。メインテーマを「顕微鏡観察のすすめ」として、米をテーマにしました。
米の組織構造は、本部会役員西村雅子氏(㈱日立ハイテクフィールディング)に依頼して、低真空走査型電子顕微鏡による観察結果を発表いただき、東北大学院農学研究科の渡邊康一氏・亀田昌典氏には、食品組織観察のための染色技法と題して、光学顕微鏡像の発表を協力お願いいたしました。また、日本調理科学会50周年大会(平成29年9月1日、於お茶の水女子大学)の記念講演で、「未来に向かって『調理科学研究』をどう進めるのか」ー組織学研究の視点からーのタイトルで、食品組織学研究の現状と調理科学的研究への取り組み方を講演する機会を得ました。来年度も、今年度同様に会員の要望に応えるような企画を考え、食品組織の技術の知識技術の浸透に努めていきたいと考えています。
2月には、部会会報を発送予定です。
【平成29年度部会役員紹介】
代表 峯木眞知子 (東京家政大学)
役員 鈴木 惇 (修紅短大)
役員 佐藤 靖子 (東北生活文化大学)
役員 芦田 祐子 (不二製油株式会社研究本部)
役員 西村 雅子 (㈱日立ハイテクノロジーズ)
役員 泉 恵子 (㈱ライカマイクロシステムズ)
事務局 西念 幸江 (東京医療保健大学) |