今日の衣生活では、既製服を利用することが主流となっています。工業製品として作られる既製服を誰もが満足いくように生産供給していくためには、着る人の体型情報や衣服パターン、素材や縫製技術などの科学的根拠に基づく設計が必要です。また衣服は人の心と体を包むものです。着心地良い衣服は機能性だけでなく心理的にも満足いくものでなければなりません。被服構成学はこのような観点から、着衣基体としての人体形態、衣服パターン、立体裁断用ボディや検査用ボディ、既製服サイズ、縫製技術や着心地等に関する研究を進め、より快適な衣服の提供に役立っています。コンピュータやネットワークの進歩は、人体の三次元測定からその人のオリジナル衣服の設計、生産、配達までも近い将来、現実のものとなるところまできています。
本部会は、被服構成学の研究を促進することを目的に1979年に発足しました。それに先立つ10年間に及ぶ被服構成学研究委員会を母体にしています。一般社団法人日本家政学会の下部組織で、現在の会員数は約200名で全国にわたっています。本会には衣服の設計製作に関する諸問題に興味と関心を持ち、研究を進めている様々な分野の研究者や、教育の現場や生産の現場で実践している会員が参加しています。 |